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【二代目日記】「日本の水産業は復活できる」②

2012.08.05 Sunday
著者が勤務するような日本の水産会社はもう、魚をとっていません。大洋漁業の捕鯨船も昔の話です。本来であれば輸入魚が増えたほうがビジネスチャンスになるのでしょうが、あえて逆の提言を行っているところに著者の問題意識が見えてきます。

農業は、林業、水産業よりも民活導入に熱心だったように見受けられます。ただし、農産物を作り、収穫すること自体は合理化のしようがないので、資本集約型の効率化をめざして参入した企業は撤退を余儀なくされました。水産資源は誰のものでもなく、魚には値札がついているわけではありません。流通するなかで始めて経済価値がつけられるので、高く買ってくれる市場を探す必要があるのです。これは、日本に限った話ではなく、たとえばノルウェーのサバは漁獲後、船上から各社へセリの情報が流され、高く応札した会社に販売されていますし、われわれが買っているニシンも、そこまでタイムリーではないにせよ、日韓中アフリカ、ロシア国内との価格競争(高く買う競争)で売り先が決まります。

日本も数年前まではサンマを輸出したり、鮭の対中輸出はいまだに続いていますが、円高で採算が悪化しているようです。著者の主張は魚価を上げるための提言なので、流通筋には受けが悪いでしょうが、私も日本でとれた魚を世界を相手に販売していくという考えには賛成です。ただ、日本の漁業は獲りもしない漁業者を保護するなど参入障壁が高いので、ロシアから買って世界中に売り、日本の漁業の変革まで「ならし」をするほかなさそうですが。

ちなみに日本では、漁獲枠は有名無実な「枠」です。枠いっぱいまで魚が来たら増枠されるそうです。世界ではそんなことは聞いたことがありません。ロシアでさえ、商談は枠がベースです。枠が足りなくなれば他社から買うので、漁獲量自体には上限が守られています。理由なく漁獲枠を余らせたら次の年から減枠されます。こういうことがないように我々もロシア側の漁獲枠に合わせて買い付けの準備をしています。漁獲者と買受人の緊張ある関係がないと漁獲管理制度は難しいのです。

 

 

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