CARIFOOD

円安の日々

円の下落が続いています。石油のみならず天然資源や食糧の多くを輸入に依存する日本にとって、物価上昇は必定。政府は円安で輸出企業が潤うと踏んでいたようですが、その礎となる国内製造業への支援は全く行われておらず、いきなり「円安になったよ。用意!ドン!!」と言われても戸惑いがあるのだと思います。私はサラリーマン時代、政府の産業政策や支援は無駄だと思っていましたが今は全く逆です。為替動向や景気、雇用問題といった問題は、1企業で取り組める問題ではありません。厳しい外部環境にさらされる業界に一時的な支援をするのは政府しかできない仕事です。逆に今は法人税減税の効果を疑っています。

 

以前にも書きましたが金融緩和は欧米をはじめとする先進国のなかで、日本がとってこなかった金融政策でした。緩和後は当面は円安になると少なくとも予想はできました。同時にデメリットも非常に見えやすく、このバランスの達成が政府の腕の見せ所と私は考えていました。にもかかわらず円安、株高で満足し、トリクルダウンを待てといいつのる政府の浅さが気になります。円安を確信犯的に誘導したわけですから、その他の施策と組合せたパッケージでの景気浮揚をなぜ図らなかったのか。

 

現政権がいう景気回復のトリクルダウン効果はモデルとしては考えられます。しかし、たとえば中国で鄧小平が先富論(富める者から先に富ませ。徐々に全体に普及させる)を唱え、沿岸部を中心に発展させようとしてからすでに30年。確かに中国のGDPは大きく成長しましたが一般市民の生活はどれほどよくなったのか?。富める者が富の拡大再生産をしているだけではないでしょうか。あれだけの成長をしておきながら貧富の差は拡大し、固定化しているようにも映ります。同様に円安、株高誘導による景気回復は、所詮その環境のなかでの儲け方を知っている人しか恩恵を受けられない舞台です。金融資産を持たない人が愚なのでしょうか?

 

麻生副総理は、この環境で儲けられないのは経営者の努力が足りない、という趣旨の発言をしたようですが、これはいまだに日本=製造業=輸出型企業のイメージから抜けられないということでしょう。指導層の為替観、景気観が昭和の域を出ていない証左だと思います。ところで、円安が日本経済や景気に資するというなら、円の緩和でなくドル高に乗る、ということでもよいはず。米経済の諸指標の改善、金融緩和政策終了で予想されるドル高に合わせてある程度の金融政策修正をすればよいと思うのです。

 

日本では製造業というと自動車や電子部品など成長期を支えたセクターで代表されますが、数の子の加工も立派な製造業です。こういう内需型の製造業はアベノミクス後の円安の影響をもろに受けてきました。円高謳歌の時期を終え、新たな課題を突き付けられていることを実感します。日本の多くの企業が石油ショックや円高を乗り切ってきました。先達の知恵を借りて新たな事業モデルを模索していきたいと思います。

 

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